最後に残ったもの

ネタバレをしていこう

本来なら公開されてからそれなりに時間をおいたものしかしないのだが、せっかくなので今作 藁の楯については内容を紹介していきます。ネタバレとなってしまいますので、まだ作品を見たことがない人がご注意ください。

怖い話で涼しくなりたい方へ

物語の展開

序盤

清丸国秀により孫娘を殺されてしまった蜷川の手により、彼の首に報奨金10億円が掛けられた。新聞を始め、インターネットを通じての動画投稿まであらゆる方面から犯人を殺してくれと断罪を要求する場面が連続します。ただ誰もがその内容があまりに突飛すぎたため信じる人は少なかった。ただ中には本当かもしれないという思いに突き動かされて行動に出る人もいた。その1人、清丸を匿っていた男性は金に目がくらみ、清丸を殺害しようとするもあと一歩のところで彼を取り逃がしてしまう。

どこに敵がいるのか、自分の置かれた状況がこれまでとは違っていると自覚した清丸は警察署へと自首します。これで安全だろうと彼は思った、しかしそんな安堵を打ち砕くように蜷川は協力者だったはずの男性が未遂ではあるものの、殺そうとしてくれたとして1位億円支払う旨を動画で発表した。これにより、殺害すれば報奨金10億円が貰えることがはっきりした人々が躊躇いという感情を捨てて、清丸国秀という男性の殺害に躍起するようになる。

勾留されている警察署内でも警察官に殺されそうになり、怪我の治療のために病院へ搬送されるもそこで看護師に殺されそうになるなど、清丸の安全地帯はどこにも無くなっていたた。このままでは国家の威信にも関わるとして、警察組織のプライドを掛けて東京に護送し、あるべき制度で清丸を裁くため内部から数名のSPが選出された。

中盤

SPとして挙げられたのが、銘苅・白川・奥村・神箸・関谷の五人が主要護送メンバーに選出され、道中には350名もの機動隊が付き添うことになる。人間的に見れば目下、守るべき対象ではない者の保護をすることに嫌気が指すものもいる中で銘苅は冷静に仕事をこなしていく。けれど当初予定していた飛行機での搬送が不可能になり、陸路・電路などを使って何とか送り届けようとするも、道中では清丸に掛けられた報奨金目当てに事件を起こして清丸の命を要求するという事態まで起こってしまった。

向かう最中で神箸と関谷の2名が脱落し、その後奥村が手首に居場所を発信するマイクロチップを埋め込んでいた裏切り者だということも判明する。あとに残ったのは銘苅と白川、そして清丸の三人だけだった。

終盤

三人は何とか東京へ向かおうとするが、その道中で清丸が白川を手にかけてしまう。母は自身のせいで自殺までしたことを知り、最早何をしても構わないといった態度で嘲笑う清丸についに銘苅も手を上げてしまう。銃口を口の中に押し込んで発砲しかけるも、それでも任務全うを最優先に考えたことで東京警視庁までの護送に成功する。

皮肉にもそこには報奨金をかけた蜷川が待ち構えており、手に持っていた杖に忍ばせた剣で清丸を殺害しようとするも、銘苅に制止させられる。報奨金取り下げを要求するが、今度は清丸が報奨金を欠けた蜷川を殺そうと刀で斬りかかり、それを銘苅がかばった。

殺人幇助した罪で蜷川も逮捕され、更に報奨金の取り下げも発表される。そして清丸は裁判で正式に死刑判決が下される。懺悔の言葉が出てくる、そう思われた時に出てきた彼の言葉。

『どうせ死ぬなら、もっと殺しておけばよかった』

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後味の悪い結末

端的に言えば、今作を見て悪が正当に裁かれるものの最後に吐き捨てた言葉は、まるで人を殺したりないといっているかのような発言だった。これを見て、歯切れの悪いエンディングだと思ったことでしょう。だからこそか、人間の根源的な恐怖を描き出しているという点で今作をホラーと称していいと筆者は見ているのです。

事実、これまで歴史に名を残すような大事件を起こした犯人の中には、そうした反省を発言する言葉はなかった。最近でも障害者施設で数十名を殺傷し、そのことを罪と考えず、自らは裁かれる存在ではないとまでいう始末。精神破綻した人間にとっての倫理観ほど恐怖を覚えるものはありません。清丸という作中の人間にとって人を殺すとは、いわゆるそういうものなのです。結末が同じなら何人殺したところで変わらない、そう見なしている。

三池監督作品の中でも、一番心残りがある作品といえるでしょう。

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