四谷怪談について

基本的に

四谷怪談についてですが、今作ほど男の不貞と身勝手さにより殺害されてしまった女性の怨念が見えてくる作品もないでしょう。やり返したらやり返す精神ではありませんが、男の行動によって翻弄されて人生を狂わされた悲劇の物語としては、日本の中では極めて有名な話だ。

大まかなストーリーとしてはこれまで様々な人が執筆したこともあり、一つにまとめるのは難しいですが大本では一人の女性が信じていた男性に裏切られ、復讐を果たすという話になります。この女性こそ、後に『お岩さん』とまで言われるホラーキャラクターとして日本でも屈指の有名人であり、喰女では柴咲コウさんが役を演じたこともあって改めてどんな存在なのか、当時は再認識されたはずだ。単純に見れば怖いと表現するのかもしれません、ですが彼女の境遇や背景を考えると彼女の行動もそれは無理ないと思う人が多いのではないでしょうか。

個人的に、お岩さんのしたことが間違っているとは思わない。なにせ夫である伊右衛門の裏切りによって自身の家を奪われただけでなく、あまつさえ殺されてしまったのだ。これで恨むなと言う方が無理な話、それこそ聖人君子みたいな達観した価値観を持つものでもないと無理でしょう。それでも伊右衛門のしたことを肯定する人はいないかもしれませんが。

そんな四谷怪談のお岩さんの背景ですが、劇中の美雪とは異なる部分はあるものの、男性の浮気症などに悩まされていたという悩みを抱えており、現実と虚構の区別が出来なくなるほどに役へ没頭するというシーンにも説得力をもたせています。

怖い話で涼しくなりたい方へ

お岩さんの背景

四谷怪談と言われていますが、要するに調子に乗った男が最終的に殺害した妻に呪い殺されるという貞子もびっくりな展開となっている。ある意味ではテンプレ的な展開とも分析できますが、そもそも彼女自身が伊右衛門との結婚を望んでいたかどうかは不明瞭だ。

それというのも、お岩さんこと生前は岩と呼ばれた女性は性格と容姿に難を持ちあわせており、中々結婚相手が見つからなかったという。年の頃はすでに21、時代としては江戸幕府であることを考慮すれば高齢と判断されてもおかしくない年齢です。そんな岩の将来を不安視したのが父親だ。そこで彼は結婚相手として浪人だった伊右衛門を半ば騙す形で岩の夫に迎え入れます。騙されたとして苛立ちながらも、岩の家はそれなりに名のしれた名家だったために伊右衛門は乗っ取りを画策する。そしてどうせなら綺麗で美人な新しい嫁さんを迎え入れようとし、それを知った岩が発狂してしまう。

一説には伊右衛門が殺害したとすれば、愛憎の果てに自殺したと解釈できるものもあります。経緯はどうあれ、邪魔者がいなくなったと伊右衛門は安心するが、その後彼の周りを様々な不幸が遅い、やがて家督を受け継いだ田宮家は没落してしまいます。

哀れと思うか

四谷怪談の話を簡単にまとめるとこんなところだ。これを含めて作品について語るとするなら、美雪の存在を勝手に疎ましく思い、他の女性に心変わりする浩介というのはただただ最低という言葉が似合います。正直な話、伊右衛門よりもよっぽどたちが悪いかもしれませんが、そのラストは放蕩の果てに待ち構えていたろくでなしにふさわしい末路だと言える結末を迎えます。

お岩さんとして対角的に描かれる美雪の行動を狂気とは思いますが、彼女が悪いと感じる場面は少ないでしょう。もちろんそれで相手を傷つけていいというわけではありませんが、殺してでも手放したくないと言わんばかりには圧倒されます。物語の最後を見ると本当にそれしかなかったのかと問われれば、イマイチ腑に落ちない部分もある。ただ苦しむよりかはマシだったのかもしれません。

実際のお岩さんとは

女の情念が呪いとなって愛する男を呪い殺したと言われるお岩さんですが、実際に存在していることを知っている人もいるでしょう。ですが存在しているものの、リアルな岩さんは絵に描いたような大和撫子だったと言われてどれくらいの人が信じるでしょうか。岩さんと伊右衛門の仲は本当のところとても良好であり、家も家督こそ継いではいたものの、貧しさという問題が立ちふさがってしまいます。そんな生活でも夫を、家族を支えるために岩さんは奉公へと出て支えた。

やがて神社を勧請したことで生活は向上したとされている。なんと実に素晴らしい女性なのですが、これがどうなったら怪談になるのかという話になります。実のところ、この部分がまだ解明されていないこともあり、四谷怪談を研究している人も多いのです。だからこそ複雑な話になっているといえるのだ。

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フィクションとして

あくまで四谷怪談というものをフィクションとして囚えた場合、怪談になったという話を考えると何かと噂がつきまとっていたのかもしれません。公的な記録が一切残されていないので何ともいえないものの、岩さんの存在が醜く歪められているのは事実。それをどう捉えるかは受け手次第だ。

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