歪んだ愛情の果てに

ネタバレ全開で

さて、そんなAUDITIONですが公開されてから17年という月日も流れているのでどうせだからネタバレ全開で行こうと思います。なので大まかにまとめつつ作品の展開を見ていきますが、見た後に『悪魔』と言われても筆者はどうすることも出来ないので、自己責任でお願いします。

怖い話で涼しくなりたい方へ

作品の展開

始まりは

とあるビデオ制作会社の社長を勤めている青山重治にも家族がいました。彼の愛する家族であり、最愛の妻だった良子は幼い我が子である重彦を遺して他界してしまいます。重治は重彦が寂しくないようにと彼を懸命に育て、やがて高校生になって一人前の時間を過ごすまでに時間が経過していた。

そんな重彦が重治を気遣い、そろそろ再婚してみてはどうだろうかと勧めてきたのです。息子からのまさかのアシストに驚きつつも、友人である吉川に相談してみると今度、彼が担当している映画作品の主演女優を見つけるオーディションが開催されるとのこと。そこで再婚相手を探してみてはどうだろうかと提案されます。重治は乗り気ではなかったものの、せっかくの行為を無駄にするわけにもいかず、審査員として参加するとそこで気になる女性を見つける。

『山崎麻美』、そう名乗る女性と運命の出会いを果たした。

ラブロマンスの始まり

何故かは分からないが麻美の纏う雰囲気に惹かれる重治、それに対して吉川は役者としては引っかかるといっているものの、これをきっかけにして重治と麻美は接点を持ちます。逢瀬を重ねる二人、やがて旅行先でその一線を越えることになるが、吉川はそんな麻美の素性を探っていた。調べてみると偽称はないものの、何故か彼女がいた場所では必ず失踪者が出るという奇妙な共通点が浮かんできたのです。

そして調べを進める中でわかったのが、麻美が勤務していたレコード会社の個人預かりを担当しているディレクターの行方がわからなくなっていたのだ。

狂気の一端、そして開幕

その頃重治は麻美を必死で探していました。一夜を共にした日、翌日に姿を消してしまった麻美とそれ以降連絡が取れなくなってしまったのです。彼女との関係を継続したいと考えていた重治はようやく、彼女と連絡が取れたので指定された自宅へと向かいます。招かれた重治は彼女の生い立ちを聞かされた。

壮絶な過去を持つ麻美に重治が呆然としていると、やがて彼女が通っていたバレエスタジオのオーナーにされたことを語ります。焼きごてを自身の内股に当てられるのが楽しみだったというオーナーから、彼女は『相手を甚振ることこそ愛情表現』と思い込んでしまったのです。そして部屋にあった不自然なズタ袋、そこには行方不明になっていたレコード会社のディレクターが身体の各部分を麻美に切断されて逃げる事が出来ない状態で監禁されていた。

麻美の底知れぬ狂気を知るも、重治は既に彼女から見定められた獲物としてロックオンされてしまいます。そして始まるは、恐怖の一幕だ。

ズタズタにされ、その結末は

逃げるようにして麻美の元を去る重治でしたが、自宅で気晴らしにと飲んだお酒には既に麻美が仕掛けを施していました。気づいた時、飼い犬は無残に殺害され、隣には何かの衣装を着込み、怪しげな道具を持っている麻美が側にいた。身体を動かすことが出来ず、しかし痛覚だけは生かされた状態の重治に愛情表現を示すと告げる麻美。彼女が取った行動は、重治のあちこちにまず針を刺すというものだった。痛みに震える重治、やがてもう自分から離れられなくなるようにするために彼の左足を切断します。

激痛、などと生ぬるい痛みに断末魔のごとく叫んでいる最中に、そこへ息子である重彦が帰宅してきた。麻美に出会っては息子も殺されてしまうとして、逃げろと発声する。自宅の異変に気づき、麻美という狂気に追いかけられながらも、重彦は彼女を階段から突き落として反撃を加えた。

落ちた時、打ちどころが悪かったのか首の骨を折ったらしく絶命寸前にまで追い込まれる麻美。死を目前にして呟くのは、彼女が幼いころに記憶していたとあるメロディーを口ずさんでいたのです。

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リアルで見る場合には

最初の方こそ中年オヤジと若い女性との何処か切ないラブロマンスが始まるのか、なんて展開を匂わせています。だがしかし、そこは三池監督。後半からはホラー映画としての真骨頂とばかりに、猟奇的なシーンの連続だ。個人的には主人公よりも犬が殺されているシーンが一番居た堪れなくなった。物語の運びとしては何処か悪の教典を髣髴とさせる、静かに始まり、終わりに爆発するという手法もよく似ている。

ただ悪の教典とは違った、愛する人にする愛情表現を間違った価値観で押し付けるという狂気にまみれた女性の物語という見解が正しいでしょう。三池監督の代表作とまで言われるAUDITIONですが、映像作品で見る場合には覚悟してみないといけません。

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