AUDITION

三池監督が創りだすホラー作品

喰女という映画が公開され、真夏に見て背筋が文字通りに凍りつくような寒気に襲われた人もいるでしょう。ここまでやるかと思いましたが、誰が監督を務めたのかと見た時、筆者にはこの上なく合点がいった。今作の監督を務めたのが鬼才かつ日本で今一番忙しい監督と言われている『三池崇史監督』だったのです。三池崇史監督が創りだす映画作品については、賛否両論の意見が集中している。筆者が監督のことを初めて知ったのは4年前に公開されたあの映画だ。

悪の教典、タイトルもそうですが内容はバトル・ロワイアルなど目ではない、自身が担当しているクラスを一人残らず虐殺していくサイコパスの男性教師が主人公の物語です。公開当初、その迫力ある映像と内容にここでもまた賛否両論が巻き起こります。そして劇中では無抵抗の生徒たちが阿鼻叫喚の地獄に落とされて、信頼していた担任教師に殺害されていくという物語だ。始め見たとき、相当ホラー系の作品には抵抗を持っていると自負していましたが、打ちのめされました。けれど世間では話題となって大ヒット、続編あるかもよと言われたときは勘弁してくださいと思わず思ってしまったものです。

三池監督の作品にはこうしたホラー系の作品が多く存在している。そして彼を支持する人は国内よりも国外の方が人気が高いという。文化的な違いですが、恐怖を演出させたら恐らく日本一のグロテスク描写に長けているのではないか、などと思っています。

そんな監督の作品、ホラー系はまだまだ存在しますが、喰女と並んで戦慄するような、それこそあるかもしれない男女の恐怖を描いた映画があります。『AUDITION』、この作品を知ったとき、悪の教典同様、知らなければ良かったと何度思ったことか。

怖い話で涼しくなりたい方へ

作品概要

知らなければよかったとはいっても、今更後には引けないので作品について説明していく。三池監督作品として、今から16年前の2000年に制作された。まだ中学生で、グロいのが苦手だったので当時は知ることもなかったことを喜ばしく思っておこう。その翌年ぐらいに初めて見たバトル・ロワイアルという作品がまだ軽く見えてしまいます。

作品について軽く説明すると、『狂気に汚染された女性が愛するがあまり凶行に走る物語』ともいうべき作品となっている。喰女とはまた違った物語なのは間違いありませんが、恐らく愛という形の自由度で言えば今作の方がより狂気に満ちている。いや、前置きはいらないとして話をするならもうこれ以上に監督の創りだした作品の中で怖いと、ただただそんな感想しか出てこない作品は今作を置いて他にない。

リアルに怖すぎるので、見たいと興味を持った人は覚悟しておくといい。何しろ、2000年といえばまだ映像に対してそれほど厳しく制限されるような社会ではなかったからだ。

今作に対しての評価

AUDITION、本当に知らなければ良かったと思える今作は日本人よりも国外で人気を博したかというと、むしろ国内外で共通の反応を示す人が後を絶たなかったそうだ。とある映画祭に出品された際には、公開されてから劇中の展開に耐え切れなくなって途中退場をする人が続出する事態に見まわれ、観覧していたと思われる女性がものすごい剣幕で三池監督に歩み寄り、『この悪魔!』とただ一言述べて去っていったというエピソードがある。

さらにアイルランドにてアイルランド映画協会員限定で、今作をなんと無修正で公開した際には観覧していた会員数名があまりのショッキングな展開に耐え切れず、倒れて病院に運ばれてしまったというほど。後ほど退院したといいますが、トラウマを負わせるくらいに強烈な作品となっているため、心臓が弱い、ホラーが苦手、とにかくグロテスクな作品がダメだという人は不用意に手を出してはいけない作品となっています。

いまだ語り継がれる伝説として

今でこそ日本一忙しいとまで言われるくらいに多忙を極める三池監督ですが、ここ最近は漫画を原作とした映画作品を中心に行っている印象が強い。中でもテラフォーマーズなどが挙げられますが、その大半がとてもではないが成功しているとは言いがたい興行成績となっている。監督作品だからといっても売れる作品かどうかでは曖昧な天秤が敷かれているのでしょう、そう思えば三池監督はホラー一本で言ったほうがもっと大成するのではないか、なんて思わなくもない。

なにせ17年も前に公開されたAUDITIONがこうしてホラー作品の中でも至極と言われるほど、怖いと語り草になっているのです。覚悟しないと、本気で後悔します。

おすすめの胸糞作品

今までのホラーがコメディに見えてくる

ホラーといえばリングや呪怨などがある、そのどれも怖いが超常的な現象による恐怖から来ている。対してAUDITIONを始めとした三池監督のホラーは、現代社会の猟奇じみた行動が本当に起こしかねない空恐ろしさを物語っているのです。

今作を見た後では、リングを始めとしたジャパニーズホラーと呼ばれている作品がコメディにしか見えてこない。本当の恐怖とは、人間だと思い知らされる作品となっている。

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